Netflixで配信中の『美男堂の事件手帳』。折り返しの第9話と第10話が配信され、ハラハラドキドキの展開もあり、盛り上がりを見せている。連続殺人犯の正体も明かされ、さらなる闇のベールに包まれた強大な勢力が見え始める。
ナム・ハンジュン(ソ・イングク)とハン・ジェヒ(オ・ヨンソ)は、連続殺人犯コプリを追い詰める。ハンジュンの機転により、コプリのDNAを採取した美男堂チーム。一方のジェヒは、警察署に現れたコプリのDNAを採取をするが、結果をすり替えられてしまう。チャ・ドウォン検事(クォン・スヒョン)も独自にDNAを入手する。激情するそぶりを見せて冷静沈着にDNAの採取に成功したハンジュンに、観ている方もまんまと騙されるのが痛快だ。
コプリのDNAがすり替えられたことに気づいたジェヒは、3年前の事件でハンジュンが同じように証拠偽造の罪を擦り付けられたことに気づく。コプリの背後の勢力が、経済界、警察、検察、財界、巫堂と強大であることがここに来てわかり、じわじわとその全貌を現し始めた。
ジェヒは、兄ハン・ジェジョン検事(ソン・ジェリム)を殺害した犯人の顔を見たはずのハンジュンに、司法催眠を受けさせることにする。抵抗するハンジュンだが、ジェヒに殴られ意識が朦朧とした中で催眠にかけられる。ハンジュンは、催眠中に事件当日の記憶が蘇り、犯人の顔を見たことを思い出す。辛い記憶を奥底に封じ込めていたハンジュンが、凄惨な事件を前に絶望し痛苦する姿に感情が揺さぶられ、涙が溢れた。
催眠が解かれてからも、蘇った記憶により苦悩し慟哭するハンジュン。そんな彼の姿を見たジェヒは、「あなたのせいじゃないから苦しまないで、今まで一人で苦しんだのね」と慰める。ずっと自責し懊悩してきたであろうハンジュン。声を上げ涙を流しながら、ジェヒの言葉に顔を上げ、彼女の顔を見つめるその瞳。ハンジュン自身が抱えてきたであろう誰にも言ったことがない、言えなかったその胸の内を知るような言葉に、ひとすじの光を見たような眼差しで涙を零す。見事な演技だ。